こんにちは。転職活動と言えば職務経歴書。職務経歴書をつくるってとても大変ですよね、ということで書き方をお伝えしたいと思います。
が、「こう書けば正解」というテクニックはあまりありません。なぜなら、職務経歴書はあなたが経験してきたことを書くのであり、それはあなたにしかわからないからです。
「私のことをどう書いたらいいの?」と聞きたくなると思いますが、それは「これまでの経歴を客観視して行動と成果を見出して文章・箇条書きにする」です。でもこの客観視が難しい。
ここでは、採用責任者の経験とキャリアコンサルタントの視点から、職務経歴書を書くうえで自分でできる心がまえやちょっとしたテクニックをお伝えします。
本当は、自分のことを客観視するためにも人に相談してみるのがおすすめ。自分では大したことないと思っていることを「それってすごいことだよ」と教えてくれたりします。
職務経歴書は企業へのプレゼン資料という視点で
何より、この考え方を意識しましょう。あなたは職務経歴書という資料だけで自分のことを採用担当に伝えなければならない、というわけです。しかも、通常のプレゼンと違って口頭で説明することができません。文書に書いてあることがすべてです。
とすると、次のことが大切になります。
- 見やすい構成
- 誤字脱字がないなど十分な品質がある
- あなたがどんな人かわかりやすい内容
シンプルにこの要素が揃っていれば文書としては合格です。あとは企業側が「この人はうちの募集要項に合っているか」を判断します。企業の判断は自分ではどうしようもないので考えなくてかまいません。(つまり、書類選考で不合格となっても相手の都合なので、あなたのせいではありません)
なお、構成というか見出しについては以下の流れが一般的です。
- 職務要約…3〜4行で自分の経験、スキルなど(何ができるか)を書く。
- 職務経歴…これまでの在籍企業ごとに、そこで経験した仕事を書く。表組み。
- 資格・スキル…取得した資格や得意なことなど。
- 自己PR…具体的な実績、そのときの行動(=仕事への姿勢)など特に伝えたいことを書く。
見やすい構成とは何か
見やすい構成とは、まずは「見た目」です。
- 項目ごとに見出しがあるか
- 文章は長すぎず読みやすいか(誤字脱字がないことも含む)
- 要点は箇条書きでわかりやすいか
- 必要なところは表組みを使い整理されているか(勤務先の経歴など)
そして、「読み手のことを考える」ことをしてみてください。
採用担当は多くの職務経歴書を読みますし、他の業務もしながらかもしれません。忙しい中で応募者の特徴、適性をつかむのが仕事です。とすると、職務経歴書の目的は「他の多くの応募者の中から採用担当の目に留まるようにする」「自分のことを採用担当に手早く理解してもらう」ということになります。
別の見方をしてみましょう。採用担当は忙しい中で職務経歴書をどう読んでいくのでしょうか。通常はA4縦の書類なら1ページ目の左上から読んでいきますから、その視線に沿った構成がよいでしょう。
- パッと見てメリハリがある(見出しがあったり表組みがあったりして、どこに何が書いてあるかわかりやすい)→読むにあたっての負担がない
- 最初に読むところ(1ページ目)にあなたに関する要約(職務要約)が書いてあって、あなたが何をしてきた人か(=何ができるか、募集要項に近い人か)がわかる→期待を持つ
- あなたに期待が持てたら、実際どうなのか読み進めて経験やスキル(職務経歴)、特性や成果(自己PR)を具体的に確認する→企業からの期待に応えてくれそうか詳しく見る
- 期待に応えてくれると確信が持てたら会ってみたくなる→面接に呼ぶ
こんな感じです。あなたはこのプロセスに応えられるように文書を構成すればよいということになりますね。
「あなたがどんな人かわかりやすい」とはどういうことか
次に「自分のことをわかりやすく伝える」を考えます。
職務経歴書はあなたの自己紹介です。でも単に自分が言いたいことを言うのではなく、「相手の知りたいことを伝える」ことが大事です。では、採用担当は何を知りたいのでしょうか。
実は簡単で、求人票に書いてあることに適している人材かが知りたい。それだけです。
求人票には業務内容、求める経験や人物像などが書かれています。企業としては、うちはこんな会社で、こんな仕事があって、それができる人がほしいですと言っているわけです。
なので、応募者(あなた)としては、「それできます。やってきましたから」と言えばいい。「やってきました」を簡単に伝えるのが職務要約、その根拠を示すのが職務経歴や自己PRです。
採用担当の立場で考えると、経験やスキルは職務経歴の箇条書きで知ることができます。これとこれを何年やってきたんだね、と。
しかし、それを「どのようやってきたか」は箇条書きではわかりません。「X年やったというけど、うちのレベルのことが本当にできるの?」という疑問が生じます。そこで、「こんな知識や考え方でこんな風にやってきてました」と具体的に伝えるのが自己PRです。
あくまで書面で表現できる範囲になりますが、こうしてあなたがどんな人かを伝えます。あとはあなたが募集要項と合っていれば面接に呼ばれますし、違うなと思われればご縁がなかったということになります。
何を書くかはあなた次第
構成と内容は以上です。あとは、どんなことを書くかですが、これは最初にお伝えしたとおりあなた次第です。あなたがしてきた経験、出してきた実績はあなたにしかわかりません。
もし自分では経験を客観的に見れず書けない、ということなら、第三者に相談してみてください。気づかなかった自分がわかるかもしれません。
もう一つの大切な方針として、「転職して何を叶えたいのか」に沿った内容にすることも考えてみてください。
例えばこれまで営業職だったけど今後は(IT)エンジニアになりたいと思ったとします。エンジニアの募集で営業の「部門売上No.1達成・社長表彰」といった実績を熱心に伝えても、企業はそれを魅力に思うでしょうか。
それよりも営業での「顧客のニーズを把握して提案し、自社の現場にもそれを的確に伝え納期と品質を確保した」という行動のほうがエンジニアには大切かもしれません。
何をどう書くか、または書かないかはあなたが選択できます。同時に、相手には書類に書いたことしか伝わらないのです。
以上、職務経歴書の書き方でした。「こう書けばOK」というテクニックではないのでもしかしたらスッキリしないところがあるかもしれません。でも、お伝えした構成など一般的なところを押さえれば、あとはあなたのオリジナリティを発揮する部分です。
そしてリジナルな書類を作る過程で、自分の経験、スキルを振り返ったり強みに気づいたりできます。実はこれは面接対策にもつながる職務経歴書作成の価値です。ぜひしっかり考えてみてください。難しいなと思ったら周囲の人、また専門家に相談してみてください。
たま談話室でもご相談をお受けしています。
ぜひよい職務経歴書をつくって、あなたの魅力を的確に企業に伝えていきましょう。それが転職成功の第一歩です。
コメント