「自分らしく生きる」とは自分の声を聞くこと

こんにちは。私はあまり「自分らしい」という言葉は好きではないのです。「らしい」って何よって。「自分を生きる」くらい断定してほしいのだけど、これはパッと見ると意味が分かりにくいですね。「自分らしい」を的確に表す単語が日本語にはないのかもしれません。

そんな「自分らしく生きる」ですが、これって一体なんだろう、どうやったらいいんだろうと思う方も多いのではないでしょうか。実際のところよくわからない。

今回はこれを考えていきます。

「自分らしく生きる」とは自分の声を聞くこと

私はたぶん、こういうことかなと思います。いきなり結論ですが。

今、なぜ自分らしく生きていないのかというと、周りの声に忖度しながら生きているからではないでしょうか。周りの人が喜んでくれそうだからやる、怒られそうだからやらない、こうしないと村八分にされてしまう…。多くの「気遣い」があります。

ある一定の気遣いは集団生活の維持のために必要です。でも、度が過ぎると「他人のために生きる」ことになってしまいます。

そして問題は、「他人のために生きている」という状態になかなか自分で気づけないということ。

私たちは幼少から集団生活に適応できるように教育を受けてきました。教育の是非をここでは語りませんが、それは「周囲の思いを読み、周囲と協力していく」スキルなわけです。

一方、「自分らしく生きる」スキルは教わってきませんでした。最近でこそ個性を生かした教育をとか言われますが、それでも基本は集団生活です。さらにSNSで24時間相互につながり合う社会になってきて、むしろ集団生活の色は強くなってきています。

そんな中で、「私は本当はこう考えるけど、みんなあっちに賛成しているから」と自分の意見を言わないでおく。すると、自分の意見はどこに行ってしまったのか。例えば私は「自分の中で消化した」と考えています。飲み込んだ、と言ってもいいですね。

でも、消化してしまう前に自分が話したかった言葉をしっかり聞きましょう、というのが自分の声を聞くということです。

まず自分が何を言っているのか知ることから

自分の声を聞くには、慣れしかありません。

私たちは集団生活に適応するために、自分の声を聞く方法を教わりませんでした。でも本当は毎日多くの自分の声を聞いています。

朝起きて「眠い」と言っていたら、それこそまさに自分の声です。実際に発音している声はわかりやすいですよね。「おいしい」「疲れた」など。でも普段はそれすらも聞き流しています。

ここで、その言葉を自分の中で意識的に繰り返してみてください。「おいしい」と言ったら、もう一度心の中で「おいしい」と思ってみる。さらに、「私は今おいしいと言っている」と振り返ってみます。ああ、たしかに私は今おいしいと感じているんだなあと思えるようになるはずです。

「自分の声を聞く」というのは、「私が何を言っているか知る」ということです。

自分の中から出てくる言葉の数々を知ることから始めてみましょう。

思っていることを知る

発した言葉を知るのは、実際に自分が発しているからわかりやすいのですが、心の中で思っただけの言葉というのはさらにわかりにくい。私たちは「自分の言いたいことを言わずに周りに合わせる」ために、心で思っただけの言葉はそのまま無意識に消化してしまうことを学んできたわけです。

そこで、まずは「あ、今私はこう思った」と、思った言葉をとらえてあげることが大切になります。

「思う」というのはみんな常にやっています。テレビやネット番組を見ていて思うこと、本を読んで、音楽を聴いて思うこと。どんなときでも何かを思っています。まずは練習のつもりでことあるごとに「あ、私は今こう思ったんだ」ととらえてみてください。

その癖がつくと、人との関係の場面でも自分が思ったことをとらえることができるようになります。

「自分らしく生きる」ための場所を見つけよう

自分の思っていること、自分の声を聞くことができるようになったら、あとはそれが言えるようになるといいですね。

ただ、思ったことをそのまま言うだけでは、もしかしたら反発を受けるかもしれません。いわゆる「空気が悪くなる」です。言ってもいいことかどうかは判断したいところです。

でも、その判断は、これまで自分の思いを消化してきた人にとっては難しいでしょう。だからその思いを言える場所を新たに見つけてみる、というのも一つの方法です。わかりやすい例でいうと転職でしょうか。自分がやりたいことができる場所、言いたいことが言える場所。

ただ、これは安易に場所を変えればいいということではなくて、自分の声を知ることで、私はどんなところでどんなふうに生きたいのかを明確に描けるようにしていく、ということです。転職など場所や環境を変える必要があるなら変えていけばいい。

つまり、自分の思いを知る、声を聞くというのは、私はどこで何をしたいのか、何を言いたいのかを知ることなのです。

空気を読む、相手のことを気にかけるなど、私たちは社会人として生きる術を学んできましたが、一番大切な自分のために、「自分の声を聞く」を実践してみてください。そして、自分に対してやさしくなれる場所を見つけていきましょう。

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